検索:小倉 こくら kokura

小倉で生活しながら路上探索、人間観察、買い物をする。昔好きの人。

【店】ぞっこん惚れ込む

自分はあまり頻繁に町あるきをしているわけではないので
当分は過去のツィッターの内容のまとめみたいになるかと思います。

今日は、小倉の市街地にあるとても好きな定食屋の思い出を紹介したいと思います。

名前はあえて書きませんが、
すぐにわかっていただけるでしょうね。

f:id:hingkongchang:20130908225834j:plain
丸い電気がカワイイ。なんと言ってもキャッチコピーの"ぞっこん惚れ込む"という
表現が最高にチャーミングではありませんか。

初めてこの店を訪れた当時は、貧困にあえいでいて
和風定食550円という
良心的な値段設定にのみ
魅力を感じ、すいこまれていったのでした。

日替わり和風定食f:id:hingkongchang:20130908230001j:plain
これはかなりアタリのときです。
ポテトコロッケがメインでした。

しかし、すぐにこの店が
ただ美味しくて安いだけの店ではないと知ることになったのです。

カウンターしかない細長い店内、アルカイックスマイルを浮かべたマスターとお母さんの笑顔が包んでいます。
この日の日替わりメニューはいまだ忘れもしません。

こちらのスタイルはコース式といいますか、席につくと、
おぼんに随時出来上がったおかずが乗ってくるのです。

まず、小鉢にポテトサラダ。
ハズレ無し、大好きです。

次に、小鉢にカレー。
すこし不思議ですよね。
ジャガイモがゴロゴロしていて、もはやカレーというよりジャガイモのカレー煮とかそういう名前がしっくり来るような風情。

そしてメイン、ポテトコロッケ。
そして味噌汁の具はジャガイモ。

うわ~っ!イモだらけや~っ!

思った時にはすでに心の声が口をついて出ていました。
そして、ばつが悪そうな顔でいた自分に、マスターは言ったのです。
「ジャガイモがよ~け余っとったけん、イモだらけ定食よ。アッハッハ。」

―――――――。

その自由奔放な姿勢。
魔術師は小倉にいた。

そんな不思議な衝撃に
背中を押されるままに
たびたび足を運ぶようになったのでした。

またあるときはこうでした。
この日は、友人を誘いこの店を訪れました。
初めて足を運んだときより、ここでお酒を飲んでみたいと思っていたのです。

というのもここは、18時すぎなんかに行こうものならば
カウンターは70はゆうに過ぎたる人生の先輩たちがずらり並んでよい気分で
焼酎を何杯もおかわりをしている姿が見られるのです。

店内奥のTVにジェロが出たとき、
みんな一斉に
ジェロや!
と注目したのは興味深かったです。


と、いったふうに、とてもお酒が進む店であるのは
語らずともわかるのです。


真夏の雨上がりの暑い日でした。
まずは乾杯を、とビールを注文しました。

入り口前にあるサーバーへお母さんがかけていきます。飲み物はお母さんが入れてくれるのです。



ズブシュ!
ありゃー!

ビールを入れた経験のある方ならばお分かりでしょうが
ビールが終わるとき、
すごい吹き出すんですが
まさにビールが終わり、
すごい吹き出したのでした。

自分は、いままで三回ほど、ビールの終わりに遭遇しましたが
三回目でもかなりビックリしました。
三回目でもあの吹き出しには慣れないものなのです。

四回目くらいで平気になるような気がします。


そして、なんと、これが店にある最後の最後のビールであったそうで
もう次の日になるまでビールは出せなくなってしまったのでした。

私達はすこし落胆しましたし、
もちろんマスターやお母さんも、
すこし落胆したふうでした。

しかしここで
魔術師は動きました。


こうすりゃええんや!

マスターはふたつのジョッキを両手に持ち
ジョッキの半分くらいあった最後の最後のビールを
ふたつのジョッキに半分こして見せました。
なかなかまったくの半分にならず
何度も入れたり減らしたりを繰り返したビールは
それでも7:3くらいでしたが
とりあえずふたつのジョッキに分かれたのでした。


あの、焼酎でいいですよ、もう。



サービスやけん、やるっ!


ありがとうございます。

自分は浦島太郎になったのかと錯覚するくらい、
短時間でぬるく、炭酸もなくなってしまったビールでしたが、
マスターの気持ちがうれしく、ニクいではありませんか。

そんなことがあってから
ますますこの店が好きになってしまいました。

自分は、ホスピタリティを過剰にとらえ、サービスサービスを重ねて
息苦しい店よりも
不器用だけど
気持ちのある適度な距離感をもてる店を愛したいのです。

長くなりそうなので
その他の話はまた次回に紹介したいと思います。


こんなポスターもあります。f:id:hingkongchang:20130908230112j:plain

マスターいわく、

なんかようわからんけど女の人が来て貼っていったよ~っ。
有名人なん?

とのことでした。

【採集】どうぶつ遊具

ブログをはじめました。
よろしくお願いします。

さて、さっそくですが
本日の日記のタイトルとなっているどうぶつ遊具。
こちらは、まちかど採集において
とくにその魅力が分かりやすく、
発見しやすく、
集めやすい題材であると言えます。

おそらく、集めているひとも多くおられますし
古いものもよく残っていますので、懐かしい気持ちになれるので愛されています。

この場で、いままで自分の集めたどうぶつ遊具たちのなかでとくにお気に入りのものを紹介したいと思います。


たこf:id:hingkongchang:20121224131406j:plain
寿山町を歩いていて、高台の住宅地にぽっかりと現れた公園に鎮座していました。
随所に見られる色ハゲが、いかに子供らに親しまれていたかを語ってくれます。
なぜ、こんな高台でたこ?
という由来も意味も不明な点も、公園のワンダーな雰囲気を高めるのに一役買うのです。

スプリングアニマルf:id:hingkongchang:20130828144409j:plain
人気の遊具です。
どうぶつ遊具界では最も遊び方が明確で、飽きもこない優れものです。
単色で、どこか冷たい表情ですが子供らの支持は根強いでしょう。
赤い馬は、かっこよくて大人のわたしからも◎の評価です。

新しいスプリングアニマルf:id:hingkongchang:20130828141217j:plain
そんなスプリングアニマル界も新時代が訪れています。
こちら比較的最近のスプリングアニマルです。
従来のものよりはるかに親しみやすい表情で、
素直に「かわいい!」と言える姿になりました。また横倒れの危惧が取り払われた安全設計にやや口うるさい現代のママ・パパも納得の遊具なのでは。


いるかf:id:hingkongchang:20130722172633j:plain
モノレール片野駅前の団地の公園にいます。
単色のものよりすこし新しいデザインではと思われます。速そうなフォルムと、
策士めいた表情にノックダウン寸前の採集でした。

かえるf:id:hingkongchang:20121128150041j:plain
これ!
シック(病気のほう)な雰囲気に周りも放って置けないはず!
腹をふくらませた相方もいますが割愛します。

ばんびf:id:hingkongchang:20121012171655j:plain
カワイイです。レトロ好きな自分の心をうっかりといたずらに掴んだこのいたずらバンビは、下関で迷子になったときに採集しました。
しらない町にひとり、しかも夕日はしずみ、うっすらあたりは暗くなり…ジワジワとおそいくる不安を好奇心へ昇華する手助けを、彼等はしてくれるのです。

かばf:id:hingkongchang:20120706125535j:plain
門司から小倉へ向かう電車の車窓から、井戸端会議をするように集うどうぶつ遊具たちが見えます。
近づくと無邪気な表情を見せてくれました。つねに口を開いているため砂を食ってますが、長いこと砂を食っていたため、
進化して砂の中の微生物を食糧にできるようになったと推測できますね。

ひつじf:id:hingkongchang:20120706125528j:plain
かばの友人です。
こちらミニチュアの置物にしたいと思える造形。

ぱんだf:id:hingkongchang:20120706125547j:plain
こちらひつじの友人です。
手に大切そうに抱えたのは手まりでしょうか?
実在のパンダよりはかなりスリムな、デフォルメされたキャラクターです。

以上が、自分のとくに気に入っているどうぶつ遊具です。

どれもこれも
なんだか意味不明で、ついつい考えた人の気持ちを想像してしまうようなものばかりです。
公園という、子供らが主役の世界に、その時代その時代の大人らが
必死で考えた子供らのパートナー。

雨風にさらされ、彼等はただただ老朽化が進み廃棄されるのを待つのみなのでしょうか。

優しくてとぼけた表情に、愛があふれています。